上質な原材料をふんだんに使用し、高い技術で商品化されたハイブランドのアイテムは、皆のあこがれ。しかしルイ・ヴィトンやロレックスなど、著名ブランドが相次いで値上げに踏み切っています。特に2021年はその傾向に拍車がかかり、各方面から驚きや落胆の声が上がったほど。一体なぜなのか?その理由を見ていきましょう。
筆頭に挙がる理由は、円のパワーダウンです。円はひと昔前、世界各国で強い力を発揮しましたが、近年は下落傾向。2022年4月には「1ドル=126円」という水準まで、円安が進みました。またコロナ禍以前にヨーロッパへ旅行した人からは「ユーロへ両替する際、レートが思ったより低くてショックを受けた…」という声も挙がっています。
円安傾向をシビアに検討した結果、ハイブランドは2013年ごろから、日本国内での商品販売価格を引き上げ始めました。商品価値そのものの変動というより、円の価値低下が価格へ反映されているというわけです。
新型コロナウィルスの世界的な流行は、さまざまな業界に悪影響を及ぼしました。もちろん、ファッション業界も例外ではありません。
ハイブランドの商品は「贅沢なお土産」に選ばれる傾向があり、日本の店舗でも「円安を狙う中国人観光客」が、売上の多くを担っていました。しかし海外旅行の出足がさっぱりという現状のままでは、どうしても業績を伸ばせません。また「ロックダウンで店舗営業できない」という状況は、世界各地で見られました。これらの不振を補填する意味で「値上げに踏み切らざるを得ない」という流れがあるのです。
またハイブランドの商品に用いられるダイヤモンドの中には、ロシア産が含まれています。2022年に始まった同国のウクライナ侵攻が悪影響を及ぼし、さらなる値上げの要因となる可能性も否定できません。
近年、価格の高騰傾向が顕著に見られる原材料は、高級レザー。「食の欧米化」が世界中で急速に進行した結果、牛の供給が追い付かなくなり、レザー(革)不足までが表面化するようになっています。
ハイブランドのバッグや靴の製造に、高級レザーは必要不可欠。このためブランド側は「買占め」に走り、支出を増大させています。その補填のため、アイテム価格が値上がりするのです。
では皆さんいい休日をお過ごしくださいね♪